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居酒屋 かとう ※大幅に編集しました。
第1章 『文香』

「…わたし、この先どうすれば良いのかわかんないや。それなりに色んな経験してきたつもりだけど…、嬉しいような切ないような、今みたいな気持ちは初めてだよ。。さっきまで本気で自分を壊して欲しいって思ってたのに、今は大切にされたい…。変だよね。。。」
俯き、はにかみながら話す文香の瞳からは、行先を失った涙が大きな粒となって零れ落ちていた。
マスターがそっと頬に触れる。
文香が顔を上げると、可愛らしくも綺麗な顔が照明に照らされ、涙は朝日のように眩しく輝いた。
溜まった涙を一気に溢れさせ、文香は目を閉じる。
瞼が閉じ切ると同時に、マスターは文香の震える唇に口付けた。
抱き締めていた腕はゆっくり優しく、マスターの大きな背中に触れながら首へと上がっていき、文香は夢中でマスターを感じようとしていた。
「自分が求めていたものと違う。」
つい数分前、頬を叩かれて文香が確信した感情はこういう事だったのだろう。
文香が自分を「病気」だと思っていたのは、自分を守るためだったのかもしれない。
文香に応えるようにマスターも文香の腰に手を回し抱き寄せる。
少し汗ばんでいた体はエアコンの風によってすっかり冷たくなっていた。
華奢だが弾力のある肌は手に吸い付くようだった。
舌を絡ませながら文香を椅子に座らせ、マスターは片手で文香の両手首を持ちあげる。
背筋が伸び、胸が強調されると、文香は唇を離さずに「ダメっ…」と、小声で呟き、マスターの口の中へ暖かい息を吹き込んだ。
口付け というより 接吻 という表現が合っていた。
互いを確かめるように、そして、寄り添い味わうように唇を重ね続けた。
徐々に吐息は荒くなり、貪(むさぼ)り合うような時間が流れる。
舌を咥え、唇を噛み、唾液を吸い、唇を舐め、上顎を撫でる。
そんな接吻に夢中になった。
俯き、はにかみながら話す文香の瞳からは、行先を失った涙が大きな粒となって零れ落ちていた。
マスターがそっと頬に触れる。
文香が顔を上げると、可愛らしくも綺麗な顔が照明に照らされ、涙は朝日のように眩しく輝いた。
溜まった涙を一気に溢れさせ、文香は目を閉じる。
瞼が閉じ切ると同時に、マスターは文香の震える唇に口付けた。
抱き締めていた腕はゆっくり優しく、マスターの大きな背中に触れながら首へと上がっていき、文香は夢中でマスターを感じようとしていた。
「自分が求めていたものと違う。」
つい数分前、頬を叩かれて文香が確信した感情はこういう事だったのだろう。
文香が自分を「病気」だと思っていたのは、自分を守るためだったのかもしれない。
文香に応えるようにマスターも文香の腰に手を回し抱き寄せる。
少し汗ばんでいた体はエアコンの風によってすっかり冷たくなっていた。
華奢だが弾力のある肌は手に吸い付くようだった。
舌を絡ませながら文香を椅子に座らせ、マスターは片手で文香の両手首を持ちあげる。
背筋が伸び、胸が強調されると、文香は唇を離さずに「ダメっ…」と、小声で呟き、マスターの口の中へ暖かい息を吹き込んだ。
口付け というより 接吻 という表現が合っていた。
互いを確かめるように、そして、寄り添い味わうように唇を重ね続けた。
徐々に吐息は荒くなり、貪(むさぼ)り合うような時間が流れる。
舌を咥え、唇を噛み、唾液を吸い、唇を舐め、上顎を撫でる。
そんな接吻に夢中になった。

