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第1章 『文香』

「手はそのままにして。」
そう一言だけ伝え手首を離すと、文香は返事もせず両腕を上げ続けていた。
指は舐めさせたまま、さっきまで文香の自由を奪っていた手で胸を覆う。
ちょうどマスターの手のひらの中心で、固く勃起した乳首が潰れていた。
マスターは文香の胸を、揉むのではなく握るようにして強く力を入れた。
指と指の間から零れてしまっている文香の胸は、滑らかなマシュマロのようだった。
胸の痛みに耐えながら、文香は両手でマスターの腕を持ち指を舐め続けている。
マスターが力を抜くと、気持ちの良い余韻とドキドキとした鼓動が全身に押し寄せた。
ジンジンとした痛みも感じるが、その痛みは文香にとって心地よかった。

何度も胸を握られ、マスターの手が離れると、握られていた胸にはしっかりと赤く手跡がつき、指先があったであろう所はうっすらと赤黒くなっていた。