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駆け込んだのはラブホテル
第13章 はじめての
守屋は枕元のボックスティッシュを手繰り寄せ、とりあえず端を縛ったゴムを数枚のティッシュでくるむと、改めてふんだんにティッシュを取る。
手の平で優しくまるめて、べたべたになってしまった桜木の蜜口を拭った。
「いいのに」
桜木が慌てて足を閉じながら、掛け布団の中に隠れようとした。
「やらせてください。……せめてこれくらい、優しくできないと」
「守屋さんのペースでいいって言ったの、私です」
桜木は、聞いたことあるような台詞を吐く。
この人に、いつか俺の子どもを産んでほしいな、と、ちょっと早すぎることを守屋は心の中だけで思って、桜木を拭き終わると、臍より少し下にキスをした。
暗い部屋で守屋はゴミ箱を探し、ベッドのすぐ脇にあるのをようやく見つけてティッシュとゴムを捨てて、この部屋に来てはじめて入る洗面所で手を洗い、桜木に風呂はどうするか尋ねると、返ってきたのは微かな寝息だった。
疲れさせてしまったかな。
桜木の安心しきった寝顔を見つめて守屋は自然に笑みが零れるのを感じた。
そっとその頬を撫でて、守屋も桜木の隣に入り、桜木を抱き締めて眠りについた。