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駆け込んだのはラブホテル
第14章 朝



 布団の中で、盛大に吐き出した。



 冷静になった守屋が、

「一日でこんなに出すなんて、普通じゃねえよ……」

と呟いた。



「気持ちよかった?」

 桜木がそんなことを聞くので、

「桜木さん……ごめんなさい……こんな情けないとこ見せて……」

「可愛かったですよ」

「それは、褒めてないですね?」



 桜木側の布団に漏らしてしまったので、桜木を抱き寄せて離れさせる。
それから自分は布団から出て、自分のモノをティッシュで拭った。



「桜木さん」

「はい」

「桜木さんも、する?」



「……っ……私は別に……」

「でも、濡れてるよ」



 そう指摘すると、桜木は掛け布団を勢いよく引き上げて、頭まで被った。



「……ばかっ」



 乱れた髪だけ、掛け布団の上端から覗いていた。

 ああ、もう、何その反応。



「人のことはこんなふうにするくせに、何で自分になると恥ずかしがるんですか」

「……だってっ……だって……」



 布団に潜ったまま「だって」を繰り返し、なかなか言葉が出ない桜木の隣に、守屋は戻る。


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