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駆け込んだのはラブホテル
第14章 朝
「……別に、人にするのも恥ずかしいですよ」
「じゃあ何でそんなに積極的なんですか」
今や昨夜ばかりの話ではない。
「……だって」
桜木は布団から目だけ覗かせて、守屋を見た。
その目はすぐに泳いで、伏せられた。
「好きな人が喜んでるとこ、見たくなっちゃいません……?」
好き、という形容を、好きな人から使われる経験を、守屋はこれまであまり――否、全くしてこなかった。
「……桜木さん」
「……はい」
「めっちゃわかりますよ、その気持ち」
「でしょ?」
ほっとしたような桜木の口ぶりに、
「だから、俺も、喜んでほしいかな」
今度は守屋が布団の中に潜り込む番だった。
固めの掛け布団を力尽くで押し上げて、体を下へとスライドさせ、僅かな明かりが差し込む布団の中で、守屋は桜木の柔らかな膨らみの先端に口付けた。
「あっ……ちょ、守屋さんっ」
「大丈夫、挿れませんから。外だけ」
「そういうっ……問題じゃっ」