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駆け込んだのはラブホテル
第3章 秘密の共有
「どうしてそんなこと聞くんですか?」
「いえ……少し、危機意識が欠如しているように見えたので」
これが、守屋の精一杯の攻めだった。すると、桜木がむっとしたように守屋を見返した。
「私だって、それなりの知識と心構えはあります」
「だったら」
男性とふたりきりの密室で、しかもラブホテルという場所で、あなたと一緒に夜を明かしてもいいと宣言することが、どれだけ相手を煽っているか、事実、今、守屋がどれほど危ないバランスで理性の手綱を取っているか、
「わかって言ってるんですね」
「はい」
桜木は、薄く固い微笑みを浮かべる。
「わかっています。守屋さんなら、私は大丈夫だって」
その意味を、とうとう守屋は聞き返すことができなかった。
守屋のスラックスの中で完全に勃ってしまったそれが身動ぎし、守屋は負けを自覚した。