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駆け込んだのはラブホテル
第4章 「水着よりは守備範囲広いです」
会社を辞めることになる、とか、社会的に死ぬなどといった問題は、守屋にとってはどうでもよかった。
桜木を傷つけないこと、怖がらせないこと、桜木に嫌われないことのほうがずっと大切で、そのために、守屋は今夜、自分の体を縛ってでも、あと数時間何とか耐え抜かねばと決心した。
電話を保留にしたままなのに気づいたのは、その更に数分後だった。
受話器を耳に当てると、当たり前だがすでに電話は切られていて、守屋はため息をつきながらフロントにもう一度電話をした。
注文を終え、盛大にため息をついて受話器を置いた守屋は、電話の隣に注文用のタブレット端末を見つけて舌打ちをした。
情けなくも、相当動揺してしまっているようだった。