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駆け込んだのはラブホテル
第7章 気まずい朝
どうやら、そのままソファで寝てしまっていたらしい。
「守屋さん、守屋さん」
意識の遥か遠くから桜木の声が聞こえて、守屋は重たい瞼を開けた。
「守屋さん、十時半ですが。どうしますか。もう少し寝ますか」
霞んだ視界の真ん中に、ぼんやりと桜木の顔が浮かぶ。
そこで、はっと目が覚めた。
「さ……桜木さん」
「起きましたね。おはようございます」
「おはようございます……」
すっかりいつも通りの桜木の声に、寝起きの掠れ声を恥ずかしく思いながら、守屋は徐々に記憶を取り戻していった。
そうだ、昨夜はソファで座って夜を明かそうと思って。
そのままソファで寝てしまった。
もともとソファで寝るつもりだったからいいのだが、もう徹夜ができる年齢ではないらしい。