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駆け込んだのはラブホテル
第7章 気まずい朝
桜木は、まだすっぴんで、髪も下ろしていた。
着替えだけはもう済ませていた。
「今、何時ですか」
「十時半です。すみません、少し早かったかもしれませんが、何時に起こせばいいかわからなくて」
「いえ……ありがとうございます。起きます」
体を起こして気がついた。毛布が掛けられている。
「毛布、ありがとうございます」
「いえ、あの……はい」
桜木が頬を赤らめて目を逸らした。
その様子を疑問に思い、本人に直接聞こうと思って――思う前に気がついてよかった。
桜木は、気を利かせて隠してくれたのだ。
何も見ていない振りをしてくれているのだ。
朝だから、生理現象で、とか何とか言い訳をしようとしたが、結局何も言えなくて、守屋から出たのはただ一言、
「……すみません」
「……いえ」
昨夜二回も出したのに、まだ勃っているなんて、この、空気が読めないポンコツめ。
徹夜ができなくなるくらいなら、こっちまで徹底してもらいたい。