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駆け込んだのはラブホテル
第11章 人生初デート



「守屋さん、ひとつ伺ってもいいですか?」

「なんでしょう」

「どうして、敬語なんですか?」

 桜木が、守屋をちらりと見る。



「……まあ、元が職場での知り合いですし」

「そもそも職場でも敬語じゃなくていいんですよ。守屋さんのほうが先輩なんですから」



 確かに、守屋の同期で桜木に対しタメ口で話し掛ける人もたくさんいた。
というか、そっちのほうが普通だった。



「そういえば、私が入社したころは守屋さんも、後輩にはタメ口だった記憶が」

「……そうですね」



 先輩後輩関係なく丁寧語で通すようになったのは、実は二年ほど前からだ。
理由としては、相手によって使い分けるのが面倒というのが一つ。もう一つは、



「箍が、外れてしまうので」

 桜木が入社したのが大きかった。
守屋が気まずそうに視線を彷徨わせるのを、桜木は見ていた。



「……外していいんじゃないですか」



 桜木の目は、真剣だった。

「それとも、ずっと外さずに私と付き合っていくつもりですか」



 付き合って、ね、と守屋は桜木の台詞をゆっくり頭の中で考える。

「桜木さん」

「はい」

「その『付き合う』は、どういう意味でしょうか」



 桜木は質問に答えることができず、頬を染めて俯く。
けれど、ここばかりは、逃げさせて曖昧に流すのを許せる話ではなかった。



「職場以上の関係になってもいいと、そういうことですか」

「……私は……その……いいと思って、ます」



 蚊の鳴くような声だった。


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