この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
駆け込んだのはラブホテル
第11章 人生初デート
噛んだ!
さらっとその単語を言いたかったのに叶わず、内心頭を抱える。
めちゃくちゃ恥ずかしいじゃないか、たったこれだけのことで意識しているなんて、恋愛初心者丸出しだ。
いやまあ、もう桜木には全部暴露してしまっているから今更なのだけれど――けれど、格好ぐらいつけたかった。
しかし桜木が引っ掛かったのは、別の部分だった。
「……そういうことでいいんですよね」
「そういうことって?」
「だから、彼氏、彼女ー……みたいな……」
「……そういう話になったんじゃ」
しまった早とちりだったか、と守屋は焦り、今の会話を頭の中でリプレイする。
「いえ、その」
桜木はそれを待たず、恥ずかしそうに微笑んだ。
「職場以上の関係って、まずはお友達から、みたいなことも言いそうだもの、守屋さんなら」
ふふ、と笑う桜木は――しつこいようだけれど、やっぱり可愛い。
「好きです」
その言葉は、自然と出ていた。