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駆け込んだのはラブホテル
第13章 はじめての
部屋に入るなり、守屋は桜木をベッドに押し倒した。
「ちょ、守屋さん、シャワー……」
「すみません待てません」
守屋は桜木に覆い被さるように抱き締めて、それから体を少しだけ起こした。
重くて息苦しかったので、桜木はちょっとほっとした。
「キス、していい?」
ベッドに桜木の乱れた髪が広がっている。潤んだ瞳が守屋を見上げる。
その光景に守屋は暴走しそうになりながらも、必死で理性の手綱を取って、桜木に許可を求めた。
「守屋さんのペースじゃないんですか」
「ペースは好きにさせてもらうけど、嫌なことは嫌と言ってもらわないと困ります」
「キスぐらいで聞かないでください。もっと……先まで、する覚悟はできてます」
桜木が言い終わると同時に、守屋は自分の唇と桜木の唇を重ね合わせた。
柔らかい。
それだけで思考が停止しそうな自分を奮い立たせて、この先どうしたらいいか考える。
キスすら守屋にははじめてだった。桜木も、何も経験がなかった。
守屋は一旦唇を離す。桜木が、恥ずかしそうに顔を背けた。
「あの、せめて歯磨きとか許されません……?」
気にするあたり、さすが女子だった。