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レム睡眠官能姦淫行動障害の僕
第26章 レム睡眠官能姦淫行動障害

お医者さまは淡々とした表情で、病気の原因を説明してくれました。

「レム睡眠行動障害の患者さんはねえ、夢の中に怖ろしい怪物や妖怪や殺人鬼が登場するんです。奴らから逃げ回ったり必死で戦ったり、のたうち回って暴れているうちに、ベッドから転がり落ちるのです。ベランダから落ちて死にかけた重症患者さんもいますよ」

「えっ? 僕もそのうち、そんな怖ろしい夢を見るのでしょうか?」

「いいえ。あなたの病気は、もっと危険で深刻なのです。あなたの夢に登場するのは、怪物や殺人鬼ではなく、エロチックな女性や美人の叔母さまたちとの異常な姦淫ですから……」

「それが、どうして怪物の夢よりも危険なのですか?」

「あなたの見る夢は、レム睡眠行動障害による症状ではないということです。まあ、レム睡眠官能姦淫行動障害とでも申しましょうかねえ、このまま放置しておくと、あなたは性犯罪を犯して逮捕されてしまうかもしれませんよ」

「僕が性犯罪を? た、逮捕? ど、どういう事ですか?」

「あなたの精嚢に、淫靡菌という悪性の細菌が巣くっているのですよ」

「えっ? ええーー? 淫靡菌なんて、聞いたこともありませんが……どんな菌なのですか?」

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