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レム睡眠官能姦淫行動障害の僕
第9章 新入社員のレイナさん

新入社員として初めての勤務に緊張が続いたせいでしょうか、レイナさんは廊下の窓から空を見上げて溜め息をついていました。

そんなレイナさんをいたわる気持ちで、冗談のつもりで声をかけました。

「そんなに空を見上げて、どうしたの? 星を見つめる宇宙人みたいだよ」

「はい、金次郎さん。私は宇宙から来たエイリアンですよ」

その時誰かが見ていれば、僕の顔は能面みたいに強張っていたかもしれません。

だって僕は、彼女に苗字しか教えていないのに、どうして金次郎だなんて知っているのか? 本当に彼女は超能力のエイリアンなのか?

僕は驚いて問い返しました。

「どうして、僕の名を?」

「なんでも知っていますよ。だって私は、宇宙人ですから……」

彼女はいたずらっぽい眼差しで微笑んでいる。

考えてみれば、僕の名前なんて、課長から教わったか、何かの書類に書かれていたのを見かけたに違いないのでしょう。

数日前の夢が余りにも強烈だったから、僕はきっと神経質になり過ぎていたのですよ。

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