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アウスペック図書館の奇妙な住人 seasonⅠ
第1章 古書
あ、マイク。ほおら。お弁当。
 お、いつもすまないねー。
 何言ってんのよ。わたしは自分のお弁当を作る[ついで]にあなたのも作ってるよ。勘違いしないでね。
 マイクは図書館は静かで落ち着けるので、毎日のように図書館に足げなく通っている。
 というのは口実で実際には、エマに会いに来ている。
 やぁフローラ!いつも可愛いね。
 マークは職員のフローラにも声をかけている。
 ムカッ……マイクったら、フローラに声なんてかけて。ま、いいわ。
 アウスペック図書館の重厚な雰囲気は、古き良き時代の魅力が漂い、落ち着きと知の気配に包まれている。壁には豪華な本棚が並び、革製の古書が重みを持ち、知識の蓄積を感じさせる。天井から垂れるシャンデリアが暖かな光を放ち、静寂に包まれた空間が、読書に集中する理想的な場所となっていた。ふんわりと漂う古書の香りが、時間を忘れて惹き込まれるような雰囲気を醸し出す。
 その雰囲気からして、何か異質な雰囲気さえ感じさせる。ここだけ、俗世間から逸脱したように。
 カツ……カツ……カツ。
 歩くと床に靴が当たり鳴り響く音がこだまし、より一層静寂さを増幅させているようだ。
 エマ。おはよう。今日も頼んだよ。わたしは学会に提出する論文をまとめないといけないから、また缶詰だよ。
 ジェファーソン執事がエマに声をかけてきた。
 はい。執事今日のご予定は?
 いや、ないよ。ずっと篭りっきりさ。笑
 今日中に仕上げてしまわないとならないからね。
 声はかけないでおくれ。気が散るからね。
 執事はそのまま突き当たりの執事室に向かっていった。
 ジェファーソン執事は、この界隈でも名が知れた人で一目置かれている存在だ。
 過去に発表した論文も高い評価を受けており、今回も注目されている。そのこともあり、プレッシャーはあるだろう。本人は顔にも出さないが、エマは他の職員と違い、付き合いも長いほうなので、微妙な顔つきで分かっていた。
 エマは幼少期からこの図書館に通っていて、ジェファーソンとも顔見知りだったこともあり、この図書館で司書を任されるまでになった。

 ある日……エマが開館の準備を終えてひと息つこうとしたときのこと。
 慌ててエマのところに駆け込んできた人物がいた。
 た、大変です!エマ司書!
 どうしたの?そんなに慌てて。少しは落ち着いて。
 深呼吸、深呼吸……。
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