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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由


 ドアの方に歩み寄ると、その向こうにいる夏輝さんに「10分くらいしたら、上に行くから」と声をかけようとした矢先である。

「あ、開いちゃった」

 その言葉と共に、夏輝さんはドアを開けて室内へと足を踏み入れてきた。

 ドアがロックされていないのは、元々ドアの鍵が壊れているせい。普段は一人だから直す必要を感じていなかったが、そのせいで初日の夜も何者かの侵入を許した結果、俺はその何者かに挿入して――と、妙な悪ノリしてる場合ではない。

「どうも、おはようございまーす――!?」

 俺を前にして朝の挨拶を口にしながら、徐々に下がっていった夏輝さんの視線が、ある一点を凝視して止まった。

「あ、いや……こ、これは……」

 当然ながらそこにあったものは、俺のそそり立ったモノ……である。

「……」

 夏輝木葉は目をぱちくりとさせ、しばらくの間その雄々しき猛りを一心に見つめた。

 てっきり悲鳴のひとつでも上げられてしまうかと思ったから、その意味では助かったのかもしれない。上にいる瑞月たちに騒ぎを聞きつけられたら、あらぬ誤解を受けるところだった。しかし――

「うわー、図書館みたーい!」

 居並ぶ書架を前に誰かと同じようなリアクションを取った夏輝さんは、その後も書斎を立ち去ろうとしてくれなかった。興味津々に室内を見渡す彼女に、呆れて。

「あのさ、夏輝さん。とりあえず一度、出て行ってくれないかな?」

 そう言う俺はといったら、ベッドに腰掛けると股間の辺りを枕で隠している状態。まだ勃起中だ……。

 夏輝さんはわざわざ俺の前に立つと、あっけらかんと言う。

「まだ、収まらないんですかぁ? ――朝立ち」

「ほっとけ!」

「アハハ!」

 屈託のない笑顔を前に、思わずこんな風に聞く。

「……つーかキミって、『朝立ち』とか平気で口にしちゃうキャラなわけ?」

「ウッフフ、私って下ネタ大好きなんで、これくらい楽勝でーす! この前もお話したようにトイレ我慢しちゃうクセがあるせいで、下関係の失敗も多くてネタには事欠きませんし」

「いやっ……そのクセは直した方がいいぞ。絶対に」

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