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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由
下関係の失敗という部分に些か興味を引かれながらも、とりあえずは真面な対応をみせた。
「まあ、そういったわけでー。男の人のそういった生理? ――とかにも、かなり興味があったりして、たまにネットで調べたりもしてるんですよー」
「あ、そう」
なんと言っていいのかわからずに、適当な相槌を打つ。
話の内容から察するに、彼女のいう〝下ネタ〟の程度はなんとなく知れた。まるで、性に関心を持ちはじめた中学生といった印象である。
同時に感じたことは、おそらく彼女自身は男女間のことに疎いのではないかという点。少なくとも恋愛経験が豊富といった雰囲気とは無縁だ。良くも悪くも無邪気に思える。
そんな彼女だから、かえってそうなのだろう。時として、その無邪気さが、こちらの想定を外れる。
「それで、お兄さんはぁ」
「ん?」
「一体、誰の夢を見ていたんでしょーか?」
「どうして、そうなるんだよ?」
「だってぇ、男の人がそうなるのは、エッチな夢を見たからですよね? 気になるじゃないですかぁ。夢の中で誰とエッチしていたんだろう、って」
「だ、誰って……」
そう口にしながら思い浮かべたのは、高坂文水との場面だ。実際にあった今座るベッドでの光景と、夢の中の場面とがグルグルと回る。
まるで、それを見透かしたかのように。
「もしかして、私たちの中の――誰か?」
夏輝木葉はその可愛らしい口元に、悪戯っぽい笑みを浮かべるのだった。