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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由


「フム、なるほどなるほど……」

 こちらが真剣であるということが、ようやく彼女にも伝わったようだ。と、そう思ったのも束の間のこと。

「ご事情はお察しいたします。ですが、それで引き下がっては交渉を任された身として、立つ瀬がありません。そこで――」

「な、なに?」

「只とは申しません。今日一日、私たちにおつき合いくださるのなら、それ相応のメリットをご提供しなければならないでしょう」

「メリット? 言っとくけど、金なら受け取らないぞ。大体、俺に金を払うとか本末転倒。素直にタクシー使えって話だから」

「まさかぁ! 天下の岸本英次(きしもと えいじ)のご子息を相手に、そのような愚を」

 どうでもいいが、久しぶりに親父の名前を聞いたな。不愉快だ。そのせいもあって、俺は一層冷めた目を向けるが。

「じゃあ、なんなの?」

 夏輝さんは意に介した様子もなく、相変わらず無邪気に笑っていた。

「ちなみに、お兄さん。下半身の方は、まだビンビンですか?」

「だから、ほっといてくれと……」

 そう言いながらも、枕の下のものが硬直したままであることを再確認し、我ながら情けない想いだった。

「引っ込めようとしても引っ込まない。さぞ、お困りでしょう。それなら、いっそ引っ込めなければいいのです」

「は?」

「私が文字通りひと肌脱いで、お手伝いいたしまーす!」

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