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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由
朗らかにそんなことを言いながら、夏輝さんは自らのTシャツを脱ぎはじめた。
「ちょ、ちょっと! な、なにしてんの?」
「ですからぁ。私の方では裸体を提供いたしますので、あとはご自分で処理なされたらいかがかと――」
夏輝さんは言いながら、既にTシャツを脱ぎそれを床に落とす。更に続いて、身体にぴたりとしたインナー(それ自体が下着?)に手をかけた。
すると、さっきまでの無邪気な笑顔を消す。
「それとも、私の貧相な裸では、お役に立てませんか?」
「……」
思わず凝視した先。徐々にせり上がってゆく布地が、細身のくびれを露わとしていく。そして、小ぶりな胸の――いわゆる下乳を、目にした瞬間。
俺はハッと我に返り、叫んでいた。
「もう、わかったから!」
その結果として、俺はこの日一日を彼女たちのために潰すことが決まった。
それから約一時間後――。
「じゃあ、行くよ」
ハンドルを握った俺は、既に同乗している彼女たちに言う。もちろんテンションは低い。
「ハーイ! よろしくお願いしまーす!」
それとは逆に、元気に返事をする夏輝さんと、ルームミラー越しに目が合った。ニコニコとした笑顔に当てられ、前を向き直ると小さくため息を吐く。車を発車させた。
いいように扱われてしまった感じは否めない。あのまま焦って止めなくとも、彼女が俺の前で裸になるはずはないのだ。一瞬でも冗談を真に受けてしまった、こちらの負けだということ。
そして、俺の気分が憂鬱なのは、朝の件によるものだけではなかった。当然である。