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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由
「よかったの? 今日は、つき合わせちゃって」
後部座席に三人と、一人は助手席。当面、俺の隣に座っているのは高坂文水。彼女から聞かれた。
「今日だけだから。明日からは本当にしらない」
素っ気なく言ったのは、彼女に対しバツが悪い想いがあるから。朝、あんな風に勃起させていたのも、元はといったら彼女の夢のせいである。
大体、夢以前に昨日――と、例の場面を生々しく想起しそうになり、俺は頭を振る。
「どうかした?」
「いや、別に」
そりゃ、どうかもするさ。と内心では思いながらも、ここで話を向けるわけにもいかない。それにしても高坂さんは、どういうつもりなのだろう。彼女の涼し気な顔からは、その想いを察することはできなかった。
「というか、今日はみんなと一緒なんだ」
「まあ、ね。私にしたって、最低限の協調性は持ち合わせているよ」
「そっか」
「でもさ」
「ん?」
「管理人さんが残るなら、気が変わってたかも――ね?」
「……!」
思わずぎょっとして、後部座席の様子を窺った。だが後ろの三人は会話に花を咲かせて、こちらのことは気にしてなかった。改めて隣を見ると。
「ウフフ」
高坂文水は、意味ありげな笑みを浮かべる。
なんなんだよ、まったく……。
どうやら今日一日も俺は、平静に過ごさせてもらえそうになかった。