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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由
眼鏡の奥の潤んだ瞳。それに見つめられただけで焦るのに、それでいて視線を逸らすことができない。本当に吸い込まれそうだった。
「あの、お兄さん」
「……なに?」
思わず息を呑んで、彼女の次の言葉を待つと。
「オーイ! つっちー&お兄さーん!」
背後から大きな声で呼ばれ、二人は同時に声のする方向を振り返った。
「一緒に撮ろうよー!」
夏輝さんがスマホを手にした右手を掲げながら、そんな風に呼びかけていた。俺は「了解」という意で右手を軽く上げてから、隣の松川さんに言う。
「行こうか」
「……はい」
歯切れの悪い返事がなんとなく気にかかった。
「どうかしたの?」
「いえ、なんでも」
彼女はそう言うと、夏輝さんたちの方に駆け出した。