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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由
滝からのマイナスイオンを吸収し、みんなで写真を撮って、川魚を食べた。一応は一通り満喫すると、再び車に乗り込む。次に行く場所を簡単に話し合ってから、俺は車を走らせた。
今回助手席に座っていたのは、松川土埜だった。もしかしたら、移動ごとに席を入れ替わるルールが事前に決められていたのだろうか。まあ別に誰が隣に座ろうと、俺の方はかまわないけれども。
相変わらず後部座席からは、夏輝さんを中心とする騒がしい話し声が聴こえていた。一方で助手席の松川さんは、一人じっとスマホを弄っている。
「……」
なんとなく申し訳ない気がして、彼女に軽く話を向けてみた。
「それ、SNSとか?」
「あ、はい。お兄さんに撮っていただいた写真を、早速上げてみました」
それは滝を背景にして、四人で撮った写真のこと。俺は彼女たちからスマホを託され、それで順次写真を撮っていった。ちなみに俺も入るように誘われたが、頑なに断っている。女に囲まれて、どんな顔をしていいのか、わからないからだ。
「恥ずかしながら、SNSとかやったことがないんだけど。それって、まったくの他人からも見られるんだよね?」
「そうですね。知り合いに限った投稿もできますが、基本的には全世界に向けて、と――フフ、流石にそう言ったら大げさですよね。私のフォロワー数なんて、三桁程度なのに」
「一般の大学生で三桁って、かなり多いんじゃない?」
「そんなことないと思いますよ。大学生だとサークルとかの繋がりだけでも、それなりの人数になりますから」
「でも、しらない人からもフォローされてるんでしょ?」
「ええ、それは――あ、今の投稿にコメントがありました」
「なんて?」
「『楽しそうな写真ですね。ちなみに私は、その滝の割と近くに住んでおりますよ』――と。この方は以前からフォローしてくださってるようですが、投稿した画像とかを元に、新たにフォローされたりすることもありますし」
「ふーん」