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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由


 そこまで聞いたところで、口を挟んだ。

「どこで会うことにしたの?」

「駅です……。なので、私だけその近くで降ろしていただいても、いいでしょうか?」

「それは、かまわないけど。帰りは、どうしたら?」

「タクシーでも帰れますし、もしかしたら泊まってくるかもしれませんので……」

「友達の実家に? どこの人だっけ?」

「そ、それは……詳しい地名はわかりません。只、この近くだというだけで……」

「そっか」

 俺は気の抜けた返事をすると、深く考えることなく車を駅の方に向けて走らせた。

「では、すみません」

 そうして松川さん一人を駅に送り届けると、今度こそ別荘に戻ろうとした、その車内で。

「ねえ、なんか変じゃなかった?」

 疑問を発したのは、高坂さんだった。

「変、とは?」

「だって、急すぎない? 友達は地元の子なんでしょう。こっちだってまだ十日以上滞在するんだから、会いに行くにしても別に明日でも明後日でもいいと思うけどね」

「まあ、それは……。でも、相手の予定だってあるだろうし」

「そう言ったら話はおしまいだね。でもさぁ、今日の松川さんの様子、少し変じゃなかった? 私が言いたかったのは、そっち」

 確かに……。それと同じことは、俺も感じていた。

「ま、私は彼女と親しいわけじゃないから、よくわかんないんだけど」

 俺は高坂さんに促されたようにして、隣の夏輝さんに視線を向ける。すると――

「うーん。つっちーって、たまにあるんですよねー。捉えどころがないっていうか、そう感じる時が……」

 彼女にしては珍しく言い淀んでいる。

「別にいいんじゃない? 子供じゃないんだから」

 最後に瑞月がそう言うと、とりあえずその話題はそれで終わりになったのだが……。

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