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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第1章 夏のはじまりは刺激的に
「私は一階の和室でいいから、二人はベッドのある部屋を使ってね」
瑞月が残る二人に言う。子供のころに何度か来ている瑞月にしてみたら、この別荘の勝手はある程度わかっているはずだ。やはり不機嫌を装うのは俺に対する時だけのようで、友達に対しては自然に笑顔を向ける。
「ありがとう、瑞月。じゃあ、つっちー、私たちもお部屋をみてこようよ」
「うん」
夏輝さんと松川さんも、荷物を手に二階へ。するとリビングには、疎遠となった兄と妹のみが残された。一気に居心地の悪さが広がる。とはいえ彼女たちの滞在中、お互いにずっとこの調子というわけにもいかないだろう。
話しかけるきっかけとしては、やはりそのイメチェンを果たした外見か。特に髪色は元々が明るめであった(母親がフランス系のハーフ)とはいえ、流石に金髪では違和感が大きい。それ以外にも、背伸びしたようなメークとネイルが気になってしまう。
ありのままの方が可愛いのに。昔の姿を思い浮かべ、そんな気持ちがつい沸き上がった。
「なあ、みず――」
と、そう声をかけようとした時。
「管理人さーん。早速だけど、シャワー使わせてくれない?」
シングルの客間から顔を出し、そう言ったのは高坂さんだ。
「うん、わかった。今、行くから」
黙ったままの瑞月に気に留めながら、俺は階段を上がり呼ばれた二階へと向かう。