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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第1章 夏のはじまりは刺激的に
リビング中央からの階段を上ると廊下を左へ。そこからだと手すり越しに、一階のリビングダイニングを広く見渡すことができる。立ち止まり、まだソファーに座ったままの瑞月の様子をちらりと見やった。
「ねえ、早く」
高坂さんに急かされて、リビングの瑞月に背を向けるように廊下を右へ。左右にドアがあり、それが友達三人の使う客間で、高坂さんが顔を出す左側のドアが一人部屋だった。
「二階にも一応バスルームはあるけど、一階の方が大きな浴槽でゆったりできるよ。お湯を張るのに少し時間はかかるけど、どうしようか?」
「汗を流したいだけだから、シャワーでいい」
「だったら、その奥へ行って」
と、高坂さんを促し廊下を奥へ進む。突き当りを右に入ると脱衣場があり、更に奥がバスルーム。ちなみに突き当りの反対が二階のトイレになっている。脱衣場には洗面台の他に、ドラム式の洗濯機も置いてあった。
「タオルはあるのを使ってもいいからね。あと、洗濯はそれぞれやってもらった方が、気兼ねなくていいと思うんだ」
「へえー、至れり尽くせりだ」
と、高坂さんは大して興味もなさそうに言う。
ここで「あとは、ごゆっくり」とクールに立ち去ればよかったのだけど、彼女のここまでの態度には癇に障るものがあった。瑞月の友達なのだから、そもそも金を取るわけではない。管理人としての務めはあるにしても、最低限の礼儀くらい示してもらいたいと感じた。先はまだ長いので、こういうことは最初が肝心だろう。