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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由
しかし、しばらく画面を見つめていても、それらが【既読】になる様子はなかった。
「あーあ……もしかして、完全に余計なお世話だったか?」
そう思った途端、さっきまであれだけ心配していたことを急に気恥ずかしく感じた。手前勝手に盛り上がった挙句、肩透かしを食った気分である。
メンタルに余計な負荷をかけた結果として、もう執筆作業に戻ることも難しくなり、俺はベッドに向かうとうつ伏せに倒れ込んだ。すべてが面倒に感じ、そのまま寝てしまおうとした時である。
「……!」
右手に握られたままのスマホが、メッセージの着信を告げる。
その約五分後のこと。音を立てずに玄関を出ようとしたところで、後ろから声をかけられた。
「どこへ行くの?」
振り向くと、そこに立っていたのは高坂さんだ。
「ちょっと野暮用かな」
「ふーん」
なにかを悟ったような態度が、ほんの少し癇に障った。
彼女に言いたい言葉は、いくつか頭に浮かんでいる。だけど今は出かける前なので、とりあえず簡潔にまとめた。
「あのさ。昨日のこと、俺はどう思ってればいいわけ?」
すると、高坂文水は口元に微笑を携えて言う。