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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由
「管理人さんがどう思うかは、管理人さんの自由だよ」
「禅問答をするつもりはないんだけど」
「じゃあ、もっとゆっくり話せる時にしようか? 今は急ぐでしょう」
「……わかった」
ため息交じりに答え、そのまま出て行こうとした時だ。
「一応、他の二人には黙っておくね」
「なにを?」
「管理人さんが、こんな夜中に松川さんを探しに行ったってことだけど」
「!」
やっぱり見透かされていた。だけど別に、黙っててもらうようなことじゃない。そう思いつつも、その方が波風が立たない気もしている。特に瑞月に対しては……。
じろりと睨みつけてみたが、それはもう後の祭りだ。
「気をつけてね」
結局はその言葉に送られるようにして、別荘を出ている。車に乗り込むと、スマホでさっき着信したメッセージを再度確認。否、正確にはそれは、メッセージではなくて――。
「この辺りは、確か……」
俺のメッセージに対して、松川土埜が返したのは一件の位置情報のみ。迎えに来てほしいといった類のメッセージは、その後も添えられることはなかった。一体どういう意図なのか不明だが、彼女がそれを報せてきた以上――。
「とりあえず、行ってみるしかないだろ」
独り言を呟くと、俺は車のエンジンをかけた。