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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由
DMとはダイレクトメールのことだろう。この場合は一般的な意味ではなく、SNS上における非公開でのやり取りを指しているようだ。
例の滝の投稿にコメントした人がこのオジサンなのかはしらないが、それは最早どうでもいいことだろう。
問題なのは松川さんが、SNS上で知り合った相手と会っているということ。それも話が正しければ、誘ったのは彼女からだという。
「す、すみませんでした。でも、やっぱり私……」
「でも、じゃないだろぉ! こっちだって忙しいんだからな。明日だって朝から仕事なんだぞ。それをキミが会いたいというから、こうして来ているんじゃないか。しかも散々焦らしておきながら、一方的に――」
興奮気味に自分の都合を喋り続けるオジサンには、まだ俺の存在が認識されていないようだ。申し訳なさそうに小さくなっている松川さんを庇うように立つ。するとようやく、ぎょっとしたように俺の顔を仰ぎ見てきた。
「なっ、なんだお前は?」
なんだと言われてもな……。俺は頭を掻きながら、とりあえず正直なところを答えた。
「えっと、彼女の……友達の兄、なんですが」
「友達の兄?」
「ええ……それでなんとなく、迎えに来てるわけでして……」
オジサンが頭の付近に浮かべたであろう「?」が、視認できそうな気がした。相手がまるで納得してないのは手に取るようにわかるし、それも仕方のないことだと思う。