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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由
◇ ◇
車内で切に懇願した時の顔を思い返し、俺はふっとため息をついた。
あの後、結局は彼女を連れホテルに来てしまったわけだが、だからといって俺自身の覚悟が決まっているわけではない。だけど、それが言い訳にすぎないことは、漠然と理解していた。車の中で彼女を鎮められなかった自分が、こんな場所にまで来て鎮められるわけがないこと。
そして俺自身の欲望も、ふつふつと湧き上がっている。彼女から受けたキスの濃厚さ。その際に口の中から全身に広がったもの。舌に滴る唾液が、媚薬の如くこの身を熱く淫らにさせる。そんな馬鹿げた想像すら、今の俺は否定し難いのだ。
「どう考えても、マズいだろ……」
一応は呟いてみる。しかし、その「マズさ」は確かであり切実である。初日には謎の相手と、そして昨日は高坂文水とあんなことになって、この上――松川土埜と。
「!」
激しい葛藤の最中、カチャッと音を立て、バスルームのドアが開かれていた。