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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由


「松川さん……?」

「もちろん、瑞月ちゃんたちには内緒です。これらは全部、私からの勝手なお願いですから、お兄さんに迷惑をかけるつもりはありません。もし、私のことを――」

「――!?」

 彼女に腰を抱かれた。胸の膨らみが、太ももの辺りに密着する。ムクムクと股間が隆起して、今度はそれがタオル地越しに弾力の中に埋まった。

 まるで、その反応を待っていたかのよう。

「――女として、見てもらえるのなら」

 彼女は言った。表情は変わっていないが、自分が女として認められたという自信に満ちている。俺を仰いだその眼差しが、それを教えていた。

 ゴクリと喉を鳴らし、それでも飛びつきたい激しい欲求を堪え、俺は言った。

「……わかった。だけど、その前に聞かせてほしい」

「なにを、ですか?」

「やっぱり理由がほしいんだ。俺がキミを抱くための――理由が」

「……」

 松川土埜の瞳が刹那、虚ろに色を失う。だが俺の腰に両手を回して強く抱き直すと、顔を横に向けたまま、それを語った。

 話は、彼女のとても幼い頃の体験だった。

「……」

 それを聞き終えて呆然する俺に、彼女が言う。

「理由に、なりますか?」

 再び俺を仰いだ彼女は、その時になって気づいたようだ。それまで自らの胸の弾力に押し当たっていたはずの男の硬直が、今はもう鎮まってしまったことを。

「ごめんなさい」

「え……?」

「身体を合わせる前に、お聞かせするような話ではありませんよね」

「いや……そんな」

「でも、こんな私のことを、ほんの少しだけ憐れんでください。そしたら――」

 彼女は言いながら身体を離し、眼鏡を外す。ゆるゆるとバスローブを肩から滑らせて、豊満な胸を露わとした。

「どうか、抱いてください――思いっ切り」

 眼鏡を通さない眼差しは、漆黒の闇の制御を解放したかのように、俺を惹きつけて止まない。

 気がついた時には、もう――彼女の裸体に飛びついていた。

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