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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第3章 抱かれたい理由


「感じる?」

 指で小粒な先端をそっとこねくり、起立する感触を確かめた上で、彼女に聞いた。

 彼女は拗ねたようにして、俺の顔をじっと睨みつけている。

「お兄さんって……思ったよりも、意地悪です」

「……」

 そんな彼女を前に、俺は期せずして息を呑んでしまった。

 素直に可愛いと感じている。思いっ切り抱きしめたくなった。彼女に頼まれるまでもなく、今はそれが正直な想いである。

 そして、この今の想いを、まるで見透かされたかのようだった。

「お兄さん、いいですよ」

「え?」

「もう、いつでも――ください」

 松川土埜は、とても柔らかな表情で、言った。

「だ、だから……焦らず、ゆっくりって」

 口ごもった俺を見て、彼女は小さな微笑を浮かべる。

「大丈夫です。夜はまだ長いですから。ゆっくり、たっぷり。何度でも何度でも、繰り返し――私はお兄さんを、受け止めたい」

「ま、松川さん……」

 さっきまでとの変わりように、戸惑い唖然とした。状況はなにも変化していないのに、彼女の雰囲気が変わっている。気質が――そして、眼差しが異なっていた。

 俺を下から仰ぐ、その漆黒の瞳が――。

「それに、私――」

 彼女は言いながら、閉じていた両脚をゆっくりと広げた。俺の目の前で、そのすべてを露わとする。

「――もう、こんなに」

 そして、告げた。

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