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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
◇ ◇
「私……こうしてる時が、一番……」
松川土埜は、ぽつりと言った。
結局は、一晩の間に三度も身体を重ねていた。それで彼女の中のなにかが静まったのかはわからないが、身体を寄せ合い添い寝をしていた時だった。
「一番?」
「ええ……セックスを終えて、相手の心音に耳を傾けながら……うつらうつらと、微睡んでいる時……私は、束の間の安心を……得ることができるの、です」
俺の左肩の辺りに頭を乗せ、彼女は目を閉じて、今にも眠ってしまいそうだった。
「束の間……か。だけど、それじゃあ根本的な解決にはならない」
「わかって、ます……。でも、あの日の悪夢にうなされるのは……もう、沢山なんです。だから……たとえ刹那でも、この安らぎを得るために……私」
「松川さん……?」
彼女はきゅっと俺を抱きすくめ、とても控えめに笑った。
「ふふ……また土埜って呼んで、激しく抱いてください、ね。私がここに……いる間、だけ……でも……」
話し声が、小さな寝息に変わった。松川土埜の寝顔は、とても安らかに思えた。嵐のように俺を求めたイメージは、もうそこには重ならなかった。