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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?


 瞬間、心臓がドキリと跳ねる。フレンドリー(?)な態度を前に油断していただけに、冷や水を浴びせられたような気分だった。咄嗟に返事をすることができない。頭の中では、乱れた松川土埜の裸身がぐるぐると回った。

 その時、思わぬところから助け舟が出る。

「明け方まで、書いてたんでしょう? ――小説」

 手前にいる瑞月たちの死角になる位置から言うと、高坂文水がウインクをしてきた。それは、俺が深夜に車で出かけていたことを、二人には内緒にしているという合図である。

「……まあ、それなりに」

 高坂さんの魂胆がわからないだけに、本音としては変に借りを作りたくはなかった。しかし、この場合は無難に口裏を合わせるしかない。万一であれ瑞月たちから、松川さんとのことを勘繰られるわけにはいかないと思っていた。

 すべては、自分の後ろ暗い行いのせいである。改めて猛省したいところであったが、今は彼女たちの前。こちらに向いた話題を逸らす意味で、瑞月たちに聞いた。

「で、今日の予定は?」

 昼過ぎまでゆっくりしているのは、今日がはじめてだ。このまま別荘で過ごしてくれるなら、送迎の手間はかからない。だが、どうやらそうもいかないみたいだ。

「今、話してたんですけどぉ」

 三人で顔を見合わせてから、夏輝さんが思わせぶりに口を開いた。

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