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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
身体の関係をもちながら、それを隠す男女の間には妙で独特な雰囲気が漂うという。もちろん自分自身の僅かな経験を元に気づいたことではなくて、本などを読んでなんとなくしり得た感覚だが、今は少しだけ実感することができた気がした。
自然な会話を心がけようとすれば、どこか白々しくなるのは目に見えている。そんな想いが先に立つから、言葉なんてかけない方が無難だと思った。
その点では、おそらく経験として身についているであろう、高坂さんとは違うのだろう。同じく後ろ暗い(?)ところがあっても、彼女の場合は向こうの方で、適度に俺に対し無関心を貫いてくれる。
俺は同じようにはできない。だから遠目に、松川さんの姿をなんとなく眺めていた。
普段は、というほど普段をしる由もない。だが少なくとも俺の見た限り、彼女は意図して身体のラインを出さないように、全体的にゆったりとした衣服を身に着ける印象だ。
それが今は、比較的ぴたりとした黒のカットソーにより、ふくよかな胸がかなり強調されている。そう言えば、昨夜着ていたサマーニットは、その胸元を自らの手で広げてしまったのだ。
あの時の欲望にまっしぐらな彼女と今の彼女とが、重なりそうで重ならない。
俺が先に帰ってから一人で今まで、どうやって時間を潰していたのだろう。ホテルを出る前にフロントでタクシーを呼んでもらって、駅まで来てどこかのカフェで朝食でも取っていたのだろうか。彼女にしてみたら、しらない土地である。そんなことをしてまで、俺との関係を彼女はひた隠そうとしていた。
そしてまた、おそらく数日以内には、俺に抱かれようとするはず。この二週間、彼女はそうすることを強く望んでいる。