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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
「なに、してんの?」
「ウフフ、キスだね」
「だから、なんでキス?」
「だってぇ、管理人さんがさぁ。私のこと、全然気にしてくれないんだもん」
俺はほとんどシートに仰向けになっていて、彼女はその上から折り重なっている。駅舎の前にいる瑞月たちから目撃されるはずはないが、車の周囲には普通に人の往来があるのだった。
白昼堂々。本当に、この人はどういうつもりなのか?
「気にするとか、今は関係ないだろ」
「松川さんのことは、気にしてたくせに。あんなに見てたら、他の二人にもバレちゃうよ」
「別に……バレるとか」
「隠さなくていいじゃん、私にはさ。昨日の夜、松川さんと一緒だったんでしょう?」
「!」
「ほら、やっぱり図星」
こちらの顔色が変わったのを、彼女は見逃してくれなかった。
昨夜の出かける時から、彼女には見透かされていたように感じていた。だが、これが単なる勘というレベルなのか。否、なんらかの事情を承知しているはずだ。
「高坂さんは、なにが目的なの?」
魅惑的な唇に微笑を携え、彼女は臆面もなく言う。
「私は管理人さんを、誘惑してるだけだよ」
「だから、どんな目的で?」
「気に入った男を手に入れたい。それでは、ダメ?」
「それが本心なら光栄だけど」
「本心だよ。よかったらこのまま、二人で別荘に戻ろうか?」
「……」
しばらく真剣な眼差しを向けていると、高坂さんはふっとため息を漏らし、根負けしたように俺の上から身体をどけた。
「流石に、今のは冗談。気は乗らないけど、今日は大人しくあの子たちにつき合ってくるよ」
どこまでが冗談なのか、じっくり問い質したい気分だった。
「あとさ」
「ん?」