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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?


 あの時、瑞月が乗らないのを見ると、他の三人もホームに降り、乗るはずだった電車を一度やり過ごしていた。次の電車が来るのは、約20分後。

 夏輝さんを中心に「どうしたの?」「なんかあった?」などと聞いていたが、瑞月は「別に」「気が乗らなくなった」などど素っ気なく答えるだけで、頑なに態度を改めようとはしなかった。

 高坂さんが「ホントに行かないの?」と、ため息交じりに聞いた時には黙って頷いただけだったが、「じゃあ、私たちもやめた方が?」と、松川さんが夏輝さんたちにそう言った時には「変な気を遣わないで!」と語気を荒げて睨みつけていた。

 瑞月の醸し出す険悪なムードに一瞬、緊張感が漂う。それを取りなしたのは、やっぱり夏輝さんで、最終的には「じゃあ、三人で行こう!」と他の二人を促したのだ。なんだか瑞月の意図を忖度したような雰囲気だった。

 松川さんと高坂さんは微妙な表情を浮かべ顔を見合わせていたが、それ以上口を挟まなかったのは、やはり瑞月に対して一定の気遣いがあるのだろうか。結局は次の電車が到着すると、三人はそれに乗り込んでいった。

 彼女たちは予定通り今夜は温泉宿で宿泊。そして瑞月は俺と一緒に別荘に残ることになった。その経緯を思い出しながら、瑞月の態度に兄として苦言を呈していたのだけど。

「うざ」

 ぼそっと呟かれた短い音が、俺の胸にチクリとダメージを与える。こんな説教くさい真似、俺だってしたくねーよ。大体、オッサンみたいだし……。

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