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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第1章 夏のはじまりは刺激的に
「いっそ、管理人さんも一緒にシャワー浴びちゃう?」
「バ、バカ! そんなわけにいくか!」
「ウフフ、流石に冗談だけど」
「ああ、もう!」
クールに振舞おうとしてたのが、すっかり台無しである。俺は恥ずかしくて赤面した顔に手を当て、脱衣場を逃げ出そうとする。
「ああ、そうだ」
「なんだよ。まだ、からかうつもりか?」
「そうじゃなくて」
「ん?」
「文水(あやみ)だよ」
「あやみ?」
「下の名前。さっき言ってなかったでしょ」
高坂文水はそう告げて、パチリとウインクをした。
「……」
脱衣場を出ると、しばらく廊下に立ち尽くす。その時に、高坂文水の下着姿を思い返してしまったのは、健康な男としては仕方のないことだと思われ。だが、そのままの顔で、手すりのところまで来てしまったのは失敗だ。
「……」
階下の瑞月からゴミでも見るような視線を向けられ、俺はハッと我に返る。
「ち、違うよ」
「は? なにが?」
「いや……なんでもない」
瑞月にそっぽを向かれて、俺はとぼとぼと階段を下りた。