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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?


 つれない返事を前に、会話を終わらせるしかなかった。だが一方で、俺は安堵したのかもしれない。

 さっきまでは、このまま二人で別荘に帰ることに、そこはかとなく抵抗を覚えていた。瑞月と二人きりの夜の前に、妙な意識があったことは否定できない。すべては、この三日間のせいだ。

 しかし、そんなものは杞憂である。別荘に帰っても各々の部屋で、それぞれ勝手に過ごすだけだろう。もちろん俺にとって瑞月は妹であり、それ以上でもそれ以下でもないのだ。

「よし、帰ったぞ」

 別荘に着き車を停めた時には、既に俺の中の妙な意識は完全に振り払われていた。できれば機嫌が上向くに越したことはないが、そもそも二十歳前後の兄と妹なんて世間に照らし合わせても大体はこんなものだと思う。

 なにも特別ではない。俺たちだって、単なる兄妹なのだ。

「ん?」

 なかなか降りてこない瑞月を気にして車を回り込むと、なんの気なしにスライドドアを開けた。すると、まるで支えが取れたかのようだった。

「あっ、危ない!」

 力なく倒れ込んできた身体を、咄嗟に抱き止めていた。

「オイ、どうした?」

 俺の胸に顔を埋めたまま、返事はない。聴こえるのは、はあ、はあ、という儚げな呼気だけ。そして瑞月の異変に、俺はほどなく気づくのだ。

「瑞月……お前、熱が?」

 抱き止めた瑞月の身体が、異様に熱い。

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