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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
あれこれ考え、一人その場でジタバタしてしまった。そんな自分を滑稽に感じ、少し落ち着かなければと思い深呼吸をする。それから――
「瑞月、ちょといいか」
「……?」
「ほら、体温計を……脇に」
「んっ、やぁ……」
毛布を捲り体温計を挟もうと右手首を引くが、瑞月は無意識に抵抗し余計に身を縮めてしまう。
「ご、ごめん。だけど、熱は測らなくちゃ、なっ」
そんな風に言い聞かせながら、今度は些か強引に右の脇を開かせた。あとは身に着けているピンクのTシャツの襟か袖かのいずれから、体温計を差し込んでやるだけ。俺は一瞬だけ躊躇した後で、襟元を開くとそこから体温計を脇の下に滑り込ませた。
呼吸で上下する胸元を目にして、思わずドキリとする。が、すぐに目を逸らすと、毛布を掛け直し、体温計を落とさぬように肩の辺りをそっと押さえた。
計測が終わるまで、瑞月の様子を静かに見守る。こんな風に身近に存在を感じていたのは、いつ以来のことだろう。自然と家を出て行く時のことを思い出していた。あの時、触れ合った唇が、今は苦し気な呼気を吐き続けている。