この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
「おにい、ちゃん……?」
「ああ。どうした、瑞月」
「私……苦しい、の」
「どこが苦しいんだ?」
「……胸の奥が、ずっと……ね」
「胸?」
こくりと頷いた瑞月が、薄く目を開き俺を見る。
「全部……お兄ちゃんの、せい」
「俺の……?」
それがどういう意味なのか問い質したかったが、瑞月は言い終わるとすぐに目を閉じてしまった。同時に体温計が、計測完了の電子音を鳴らす。
38度8分。想像を超えた高熱に驚き、急ぎ瑞月を医者に連れて行くことにした。夏の薄着の上から俺の冬用のコートを羽織らせ、身体を抱きかかえて車に乗せた。
最寄りのクリニックに着いた後は、なんとか自分の足で立ち上がってくれたので、診察の方は難なく受けることができた。高熱であることから先にインフルエンザの検査を行ったが、結果は陰性。診察された瑞月の症状は急性上気道炎、すなわち風邪である。
別荘に帰ると、とりあえず瑞月の宿泊する和室に布団を敷いて寝かせた。たかが風邪と侮ることなかれ、ではあろうが、心配して付き添っていた身としては、ホッと一安心といったところだった。
そうなると処方された薬を飲ませるためにも、食事を取らせたいところ。薬局に寄った後、一応は果物やゼリーなど胃に負担のかからないものは買ってきたが、やはりまずはお粥だろう。俺はキッチンに立ち、食事の用意をはじめた。