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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
◇ ◇
――と、そんな場面を割と具体的に想像してしまった、俺は――。
「あのさぁ……冗談だって言ってるんだけど」
「わ、わかってるよ」
瑞月から思いっ切り冷めた目を向けられて、ようやく安いエロ漫画的な妄想を振り払っていた。
「じゃあ、やっぱり少しは食べないと」
「うん、せっかくだしね。お兄ちゃんの作ったお粥、食べようかな」
「そっか」
「じゃあ、あーん」
「バーカ、甘えんなよ」
「いいじゃん。座薬に比べたら、これくらい」
「まったく、仕方ねーな」
そんな風に言って呆れ顔を浮かべたのも、実は照れ隠しだ。やはり悪くない。こんな風に馬鹿なことを言い合うのも、久しぶりのこと。今の瑞月が、一番素直だった。
しかし、もちろんわかっている。昨日までを鑑みれば、明らかにその態度が変だということ。俺に甘えてくるのは、きっと熱のせいだ。些か幼児化して、たぶん一時的に昔の感覚が蘇っているのだろう。
本当は俺のことを、どう思っているのだろう。なぜこの夏に、別荘に来ているのか。そして、連れてきた彼女たちは一体――?
色々な想いが渦巻きながらも、今はともかく甲斐甲斐しく瑞月の世話を焼く。二人きりの夜は、まだまだこれからなのだ。