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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
現在の雰囲気を心地よく感じながらも、次に口にしたのはそれを壊しかねない質問だ。若干の躊躇はあるが、思い切って聞いてみることにした。
「連れて来た三人とは、仲がいいんだよな?」
「三人? ああ、うーん――」
と、瑞月は考えるように宙を見つめてから。
「――どうだろ。木葉とは友達かな」
「だったら、高坂さんと松川さんは友達じゃないのかよ」
更に踏み込んで聞くと、瑞月はそれまでの柔和な笑顔の中の、眼差しだけを少し覚ました。瞬間、感情の色を消してしまっている。しかしすぐ、それが錯覚であったかのように、肩を叩くと俺にじゃれついた。
「なぁに、お兄ちゃん。あの中にタイプの子でもいるのぉ?」
「い、いや……そうじゃねーけど」
とりあえず否定するも、頭の中身は直近の三日間の、特に破廉恥な場面を厳選し、たちまち埋め尽くされていく。
改めてこの状況って、マジでヤバいよな……。子供のころのような純真な瑞月を前にしているだけに、その相対として自分の行いの最低さが浮き彫りになってしまった。
そうは言っても、仕方のない部分だってあったはず。いやいや、それにしても流されすぎだろ。自己弁護を試みるも、一向に捗りはしない。当たり前だ。
今日一人になれた時には、これまでの猛省は当然として、合わせてこの先の対処を講じるつもりでいたのだが、思わぬアクシデントでそんな時間は取れていない。
「でも、ダメだからね」
「え?」
「お兄ちゃんは、瑞月のことが一番じゃなくちゃダメなの。これは絶対」
「瑞月……」
幾分とろんとした眼差しを、しばらくの間、見つめ返していた。それが熱に浮かされて口にしている戯言か、それとも胸の内に秘めた想いの欠片か、今の表情からは判断することができない。