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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
瑞月は妹。だけど、血が繋がってない事実を、その意味を、最初に瑞月に投げかけたのは俺の方だった。あのころの自分のガキさ加減に辟易する。
だけど、あの時――キスをした瞬間の想いと、堪らずに絡めた舌の感触。そして、その後で見た顔――瑞月が見せた顔を、俺は今でもはっきりと憶えていた。あれは――
「あはは! なーんて、冗談だよ」
瑞月は舌を出しておどけ、そしてこう続けた。
「今日はいいじゃん、これくらいの悪ふざけ。せっかく、二人きりなんだよ。今までずっと、なかったことなんだから」
「瑞月」
「食べたら、少し寝るね」
「あ、ああ……そうした方がいい」
瑞月はお粥を半分ほど食べると、夕陽が沈む前には薬を飲んで眠った。
俺も適当に夕飯を済ませ、キッチンの片付けをした後だった。ふと思い至り、俺はスマホを手にすると一通のメッセージを送信する。
【瑞月、風邪だったみたい。迷惑かけたけど悪く思わないでやって】
たぶん、駅に着いた時には既に熱が出ていたはずだ。瑞月と他の三人との関係についてはイマイチ理解が及ばないが、とりあえず兄から軽いフォローぐらいは入れておくべきだろう。瑞月のやつも体調が悪いなら、あの時そう言えばよかったのに。
まさか、最初からドタキャンするつもりで? 否、流石にそれはないだろう。大体――と、考え事をしていると、手に持ったままのスマホが着信を告げている。電話だ。かけてきたのは、さっきメッセージを送った相手。
「はい」
「うわー、お兄さんだぁ! お久しぶりでーす!」
耳がややキンとして、俺はスマホをやや遠ざけた。
「夏輝さん……確か、昼まで一緒だったけども」
「アハハ! そうでしたそうでした。お兄さんのイケボを耳にしたら、つい愛しさが炸裂しちゃって」
いつもに増してテンションが高い。その様子だと聞くまでもないかと思いつつ、一応は。