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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
瑞月にも一応はどちらがいいか訊ねてみたが、即答でこちらの風呂を選んでいた。どうやら俺と同じような感覚は、持ち合わせていないらしい。もっとも変わったのは、俺の方だろう。一人暮らしをしたりバイトをはじめたりして、少しは一般的な感覚が身に着いたのかもしれない。
そう考えると、あの成金親父の影響下から少しは抜け出られたような気がして、悪くない気がした。いやいや、この別荘にいる時点で語るに落ちているが……。
「お兄ちゃん、もういい?」
不意に脱衣場の方から声をかけられ、俺は焦ってしまった。
「み、瑞月? まあ、お湯は大体いいけど――」
「じゃあ、入るよ」
「バ、バカ! まだ俺が――」
と、それを言い終わる間もなかった。浴室のドアがガラッと音を立て開くと、俺の視線が否応なくそちらに向かった。
「――いる、だろ?」
言葉の続きを、まるで言い訳のように吐き出しながら、俺は瑞月の立ち姿を眺める。
ピンクのボディータオルで覆っていたが、バスタオルのように巻きつけるだけの大きさがあるわけではない。身体の前面の大事な部分だけが、申し訳程度に隠されているだけ。
そこからスラリと伸びた脚は、やや所在なさげにもじもじと左右のつま先を絡めている。華奢な肩をすぼめ、両手は心許なげに胸元を押さえていた。
やや照れたように俯き加減で、俺を上目づかいに見つめた顔の、その頬がほんのりとピンク色を帯びている。頬を染める理由は、どうやら熱のせいだけではなさそうだ。