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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?


「まだ少し、頭がぼーっとしちゃてるの。一人で入るのは不安だから……ねえ、一緒にいて」

「一緒に、って……?」

「そのままでもいいし。それか、いっそお兄ちゃんも裸になって――」

 言い終わるまで待たずに、思わず大声を出していた。

「そっ、そんなわけにいくかっ!」

 最初からその答えを想定していたように、瑞月はくすっと笑う。

「じゃあ、服を着たままでいいから、背中を流してよ」

「だけど」

「一人にされたら、私、倒れちゃうかも」

 やや怒ったように言われ、俺は仕方なく答えた。

「……わかったよ」

 思わず首を傾げてしまう。服を着たままか、裸になるか。瑞月から提示された二択の内から、行動を選ばされてしまっていた。出て行く、というのが一番自然な選択肢のはずではあるが……。

 万が一倒れて、硬い床や浴槽に頭をぶつけでもしたら。そんな場面を想像してしまった以上、確かに一人にしておくのは不安だ。

「じゃあ、お願い」

 瑞月が、洗い場の前に立つ。

「――!」

 露わとなった裸の後姿を前に、俺は咄嗟に顔を背けた。

 瑞月はシャワーのコックを開き、お湯でアクリルチェアーを温めると、その上に座る。

「お兄ちゃん、お願い」

 シャワーノズルを受け取り、俺はようやく瑞月の背中と正対した。

「あ、ああ」

 もちろん躊躇はあるが、こうなった以上、狼狽えてばかりもいられない。

 とにかく身体を冷やしてはいけないと思い、シャワーから噴き出すお湯を肩口から背中にあてた。

「温度はどうだ?」

「うん、丁度いいよ」

 所詮は、妹の裸。そう自分に言い聞かせ、俺は平静を装うのに必死だ。

 それでも、アクリルチェアーに乗っている、小ぶりな尻。それを凝視すれば、内心穏やかとはいくはずもなくて。

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