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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
「その後、どうなったと思う?」
「その後って……瑞月のことを、いじめた連中と?」
「うん」
「しつこく、いじめられたのか? でも、それなら、俺に相談くらいしてくれれば――」
「そうだね。いじめが続いてたら、たぶん、そうしてたと思う」
「続いてたら? じゃあ」
「うん。すぐに、なくなったの。なんでって思うくらい、不自然にね」
「もしかして、親父が?」
はっとして聞くと、瑞月は小さく頷いた。
「少し後になって、わかったんだ。お父さんが、裏から手を回したんだなって。だけど、確かにいじめはなくなったんだけど、ね……」
瑞月の言葉尻が、虚ろ気な余韻を作っていた。それを聞き、なんとなく、気持ちを察する。
あの親父ならば、どんな手段でも用いるだろう。しかしそれは、子供のデリケートな世界に介入するには、余りにも強大すぎる権力だったのではないか。瑞月の「浮いていた」という言葉が、その後の歪みを適切に表している。
同じような想いは、俺にもあった。「ハイハイ、セレブセレブ」などと、聴こえるように皮肉を言われるくらいなら、まだましだと思える。妙に媚びへつらったかと思えば、いないところでは平然と陰口を叩く。自分の周囲にいたのが、そんな奴ばかりだと、気づいた後ならば……。
そんなことを考えながら、背中だけでなく腰の辺りまでを洗っていく。話を聞き入ってる内に、変な照れが消え単なる作業として没頭していたのだ。
躊躇なく尻を洗おうとすると、今度は瑞月の方が照れたような声を発する。
「もう……そっちはいいから、次は腕を洗って」
「あ、ああ」