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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第1章 夏のはじまりは刺激的に
まあ、女同士のことなんて、この俺にわかるわけがなかった。ああは言っていても、一緒に旅行に来るくらいには、親密な間柄ということなのだから。
「うわあっ、今夜のご馳走ですかぁ! 私もお手伝いしまーす!」
いつの間にか松川さんの隣にやって来て、高らかに声を上げたのは、もちろん夏輝さん。それにしても、無駄にテンションが高いな……。
「いや、みての通りキッチンのスペースも狭いし、ほとんど出来合いのものだから、やることもそんなにないんだ。手伝ってくれるとしても、一人で十分かな」
「じゃあ、お兄さん。どちらを助手に指名しますか?」
と、夏輝さんに聞かれた。
ええ、それ俺が決めるの? 対照的な二人を眺め、一瞬、考えてみるが。一人を選べと言うなら、この場合悩むまでもなかった。
「じゃあ、松川さんにお願いします」
「ええっ、どーしてぇ!」
思いの外、大きく不満を現わした夏輝さんのリアクションに焦り、慌ててフォローする。
「えっと……夏輝さんは後で呼ぶから、配膳を手伝ってよ」
「了解(ラジャー)! じゃあ、つっちー。お兄さんの助手、お願いね」
「うん、木葉ちゃん」
なんとか話がまとまり、ほっと息をついた。こんな些細なことで逐一気をもんでいたら、二週間も身が持たないな。明日からは、なるべく関わらないようにしたいものだ。
「では、なにをやりましょう」
「うーん、そうだな。松川さん、シーザーサラダ作ったことは?」
「あります」
「よかった。じゃあ、お願いするね」
「はい!」
あれ? さっきより明るくなったような気がするけど、気のせいかな。しばらく松川さんと肩を並べて、夕食の準備をしていると。