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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
お兄ちゃんとのキス――俺にしてみたら、それは瑞月とのキス。
あれは俺が家を出ようとして、引き留めようとする瑞月と少しもみ合いになった時のこと。表現は悪いかもしれないが半ば〝売り言葉に買い言葉〟といった感じで互いに後に引けない雰囲気になり、俺たちはキスをしたのだった。
少なくとも俺からすれば、あれはそういうキスだった。その割には熱が入りすぎてしまったが、それも思春期故の暴走といったところだろう。
二人とも既に、実の兄妹でないことは承知していた。とはいえ、当然ながら適切な行為であるはずもなく。瑞月と疎遠になった最も大きな原因は、やはりあのキスなのだろう。瑞月を傷つけたのではないか。俺の方は幾度となく後悔したものだった。
瑞月の方は、どんな想いだったのか。それが今、瑞月自身の口から語られようとしている。不思議と落ち着かない気分だ。俺はまた背中をタオルで擦りながら、話の先を待つ。
すると、瑞月は呆れたように言った。
「もう、背中はいいから」
「ああ……そうだな」
「じゃあ、次は前だね」
あっけらかんと言われ、俺は焦った。