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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?


「……」

 瑞月の言っていることが、どういう意味なのか。それを、なんとなく理解するからこそ、呆然と立ち尽くすより他はなかった。頭に思い浮かんだ言葉を、何度も打ち消す。瑞月の想いを詳らかにするのが、怖かったのかもしれない。

 瑞月は身体の泡をシャワーで流し終えると、広い浴槽の中にその身を沈めた。

 更に用なしになったはず。なのに俺は瑞月に背を向けると、浴槽の縁に遠慮がちに腰を下ろしている。最早、瑞月が倒れた時のために、という理由ですらない。只、なんとなく瑞月の傍を離れられなかった。

 すると、突然――。

「もう、なにスカしてるの」

「は? ちょっと、――わっ!」

 ザバン!

 後ろからシャツの襟を引かれ、大きくバランスを崩した俺は、無様にも頭から湯船の中に落っこちてしまう。

「ぷはっ! なっ……なにすんだよ!」

 服のままお湯の中に沈み慌てふためく俺の姿を、瑞月はしばらく眺めて、楽しそうに笑っていた。その屈託のない笑顔が久しぶりということもあり、それ以上怒る気はしなかった。

 とりあえず足湯に浸かるように縁に座り直すと、ビショビショになったシャツを脱ぎ去る。

 瑞月は俺の方をまじまじと眺め、こんなことを言った。

「細いくせに、意外と筋肉質なんだね」

「見んなよ……」

 やや照れて言うが。

「私のは、たっぷり見たくせに」

「み、見てねーから」

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