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妹やその友達と、いろいろあったアノ夏のコト
第4章 かわいい企み?
一応、嘘でないはず……。
俺は脳内メモリーに画像検索をかける。確かにいくつか際どい場面は目撃したが、肝心な個所(胸のアレとか、股のアノ辺りとか)については、目にしないように努めていた。
それなのに、瑞月は――
「ふーん、どうして見ないの?」
そんな風に言いながら、広い湯船の中を移動して、わざわざ俺の足元に並びかけてくる。斜め上から見下ろすと、肩口から胸の膨らみ、更にはお湯の中までが見通せる角度だ。
胸元は左手で、下半身は水面を反射する照明の光により隠されてはいるが、なんとも目のやり場に困る光景だ。もちろん兄として、視線を逸らすのだが……。
「そんな風に困った顔するのは、私が妹だから?」
「そ、そうだよ」
と、同意するのが正解なのか、または自分の正しい気持ちなのか、それすら今は判断に窮してしまう。
そんな俺の気持ちを知ってか知らずか、瑞月は不服そうにこう言うのだ。
「やっぱり、ずるいな」
「どこが?」
「だって、女の人の裸なんて見飽きてるくせに。私の裸は見ようともしなくて、そんな風に取り乱すなんてさ。妹だからって、不公平じゃん。妹差別だ」
「お前な……自分でなに言ってるか、わかってないだろ」
俺の方も熱気と湿気で思考を奪われつつあるが、そもそも発熱している瑞月の方は、その意味ではこちら以上だろう。その大胆さと理屈を逸脱した言葉などは、既に素直や無邪気を通り越して直情的に突っ走っているように思えた。
危ういが、より本音には近づける気がする。それ故に、ブレーキをかけるのが惜しくなってしまった。
だから瑞月はまた赤裸々に語り、俺をギョッとさせるのである。